2019 July

 

 
 
 
1920年代、多くの芸術家がパリに集まりカフェ文化が花開いた時代。その中心はサンジェルマン・デ・プレでありモンパルナスだった。友人のアトリエもあるこのカンパーニュ・プルミエ通りの伝説のホテル「l'HOTEL ISTRIA」。マルセル・デュシャンをはじめダダの作家トリスタン・ツァラや音楽家エリック・サティ、画家フランシス・ピカビア、写真家マン・レイ、そして詩人のリルケ、作家のルイ・アラゴンとあらゆる分野のアーティストが宿泊していたこのホテル、簡素なロビーにギャラリーのように写真が並ぶ。

 

 

 
 
友人のアトリエの改装工事の際、床下から出て来た「リルケの覚書き」、そんなエピソードもさもありなん・・・。昔三宅一生さんの事務所があったのものこの通り、パリコレのお手伝いで通った時に初めて知ったこのホテル、遠い記憶が蘇る。

 

 

 
 
 
子供の頃から憧れていたデザイナー、ディオール。母に初めて贈られた香水はディオリッシモだった。ムッシュー・ディオールが愛したスズランの花の香りはお出かけの日に少しつけるだけで大人になったような気がした思い出のフレグランス。装飾美術館で見つけたディオールの大型写真集、うっとりするような美しい作品と当時のアトリエの様子が伺える貴重な写真の数々。ページを繰るごとにため息が出る展覧会のような写真集。

 

 

 
 
 
ワタリウム美術館で「ジョン・ルーリー Walk this way 」展を見る。1952年生まれのサックス奏者、俳優、そして画家という顔を持つアーティスト、80年代には「ストレンジャー・ザン・パラダイス」などジム・ジャームッシュ監督の映画音楽を担当するほか、俳優としても出演したとか。90年代後半にライム病を患い音楽と俳優の活動を休止、バスキアと共に制作したこともあるルーリーの作品。拠点とするカリブの島の暮らしを題材にした近作は自由で明るくアナーキー、見ているこちらまで気持ちが解放される。

 

 

 
 
オープンしたばかりのグランドシネマサンシャインのIMAXシアター。映画観賞のイメージを塗り替える、という宣伝通りの臨場感溢れる劇的な映画体験。各階のロビーに展示された名作のポスターも懐かしく、貴重なアーカイブ。

 

 

   
 
 
クリスチャンの母から受け継いだ教会の記念誌「枝」、1989年、1999年、2009年、そして今年。「枝」に込められたさまざまな意味、人生は木のようであり日々の生活はその枝・・・、編集に携わった母の文章を改めて読んでみる。

 

 

 
 
 
expo index 高校生の頃から憧れていたモデルのティナ・チヤウ。彼女のコレクションで知ったマリアノ・フォルチュニ「デルフォス」は繊細な絹にプリーツを施したドレス・・・。それから10数年ヴェネチアの邸宅兼アトリエを改装したフィルチュニ美術館を初めて訪れた時の感動は今も忘れない。スペインのグラナダで生まれローマとパリで育ったフォルチュニの豊かな感性が結実したような絹のドレス、久しぶりに作品集をゆっくり見る。 page top

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